僕が若いころの大衆車はキャブレター

バイクもキャブレター

季節や標高に合わせてアイドルやミクスチャーを調整したり、ジェットを交換したり、普通のお父さんたちがそういうことをやっていた時代。

キャブがどんなものかというと、

アクセルを踏んだ分だけエンジンに燃料を送り込む。ドバっと踏めばドバっと、エンジンがかかっていなくても踏んだ分だけ送り込む。送り込む燃料の量は人間の足が決める。

一方、92年頃からミニにも採用されたフューエル・インジェクションはコンピュータ制御になっている。エンジンルームの向かって左に付いているアルミのお弁当箱がコンピュータ。

空燃比はコンピュータで計算され、エンジン始動時はオートチョークを発動させ、アクセル開度と回転数に合わせて最適な燃料を送り込む。キャブに比べて燃焼効率が優れるので、燃費が良く高出力、排ガスも臭いも少ない。

いきなりアクセルを全開にしたときの違い

キャブの場合は燃料が多くなりすぎて「カブる」。燃焼しきれない燃料がスパークプラグを濡らしてしまってゴボゴボゴボ・・・と失速する。

インジェクションはガバっと踏んでもコンピュータが計算した最適な量の燃料を送り込む。だからカブったりしないし、いきなり全開にしてもスムースに加速する。

どう比較してもインジェクションの方が優れてるんだけど、なぜかあえてキャブに拘るおじさん達が存在する。それは、キャブの面白さを知っているからだ。

キャブはコンピュータの制御がない分、車を操っている感覚が多めなんだ。

エンジン始動の儀式

アクセルを２回踏み込んでシリンダー内に燃料を適量送り、３分の１ほど踏み込んだままセルを回し、かかる瞬間に少し踏み込んで、（運よく）エンジンがかかったら軽くレーシングして暖気する。チョークの付いていないキャブレターは、冬場の始動に苦労する。失敗したらスパークプラグを全部交換して再挑戦するしかない。

加速のやり方

ガバっとアクセルを踏むとカブるから注意が必要。エンジン回転数に合わせて徐々にアクセルを踏み込んでいくのが正しい加速のやり方なのだ。エンジンの回転数が上がってカムに乗った瞬間に強く踏み込めば、快音交じりの爆音を響かせながら、荒々しいロケット加速が始まる。

エンジン停止の儀式

アクセルをあおって回転が落ちる前にエンジンを切る。プラグをカブらせないようにする儀式。次回のエンジン始動を楽にするためみたいだけど、僕は恥ずかしいのでやりません。

始動はめんどくさいし、排ガスモクモクで、車内にも臭いが入ってくる。大方の人は何がいいんだか理解に苦しむ、好きものだけの世界でした！

MINI